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断熱と遮熱の違い

断熱とは「熱伝導を制限すること」、遮熱とは「太陽光からくる熱を遮断すること」です。

・断熱

熱には、高温から低温に移動する性質（熱伝導）があります。熱伝導を抑え、暑い夏には外部の熱が室内に侵入するのを防ぎ、寒い冬には室内の暖かさが外部に流れるのを防ぐことが「断熱」です。

・遮熱

太陽光には大きなエネルギーがあり、物質に当たると熱を発生します。真夏に日光を浴びた屋根や車のボンネットなどが熱くなるのはそのためです。太陽光を反射させ、熱の発生を抑えることを「遮熱」といいます。遮熱は夏の暑さ対策には有効ですが、冬の寒さ対策には効果がありません。

工場や倉庫を断熱・遮熱するメリット

工場や倉庫に断熱・遮熱を施すメリットは以下の3つです。

・労働環境の向上

工場や倉庫内の室温を適切に保つことは、従業員の労働環境を向上させます。
快適な環境での作業は、生産性を向上させるだけでなく、真夏の熱中症予防にも効果的です。さらに労働環境を快適に整えることで、従業員のエンゲージメントやモチベーションが高まり、企業全体の活性化が期待できます。

・光熱費の削減

断熱や遮熱は冷暖房の効率を向上させるため、光熱費の削減に効果的です。面積が広く天井が高い工場や倉庫の冷暖房効率が高まれば、大幅なコストダウンや省エネが期待できるでしょう。

・品質管理が容易

断熱や遮熱によって、製品の品質管理がしやすくなります。工場や倉庫内の激しい温度変化を抑制することで、極端な高温や低温による品質低下を防止できるからです。

工場や倉庫を断熱・遮熱するデメリット

断熱や遮熱には多くのメリットがある反面、以下のようなデメリットもあります。

・費用がかかる

断熱・遮熱対策を導入する、大きなデメリットは多額な費用がかかることです。具体的な費用は、選択する方法や使用する材料によって異なりますので、事前に複数の業者から見積りを取り、比較検討してください。

・定期的な施工が必要

断熱・遮熱対策は種類によっては耐用年数が設定されており、10～15年ほどで再度施工が必要な場合があります。どのような方法で対策を行うのか、耐用年数はどの程度かなど、事前に詳しい説明を受け、長期的な計画を立てることが重要です。

工場や倉庫における断熱・遮熱方法

工場や倉庫における断熱・遮熱対策には、一般的な住宅に行う対策とは異なる以下のような方法があります。

・保温

冬季に配管などが凍結しないように、特定の場所の温度を一定に保つための方法です。保温材を配管やボイラー、乾燥装置などに設置して、適切な温度環境を維持します。

・保冷

熱の侵入防止や低温を維持する他、結露や凍結を防ぐための方法です。これにより、工場などで水滴や湿気による機械の故障を予防する効果があります。

・防露

包材の劣化や結露を防ぐための方法で、漏電の防止にも効果的です。

断熱・遮熱方法を選ぶポイント

工場や倉庫に断熱・遮熱対策を行う際には、以下の2つのポイントを確認しましょう。

・設備の停止の確認

断熱・遮熱対策の方法や種類によっては、施工中に設備の稼働を停止する必要があり、その場合、社内の業務スケジュールを調整しなければなりません。設備を停止するのが困難な場合は、停止せずに施工できる方法や、自社の業務に合わせて柔軟に調整してくれる業者を検討することが大切です。

・耐用年数の確認

断熱・遮熱対策の耐用年数は、使用される材料や施工方法によって異なる場合が少なくありません。施工業者を選定する際には、耐用年数や将来のメンテナンスにかかるコストについて、必ず確認することをおすすめします。